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ナレッジ共有テンプレート5選|コピーしてすぐ使えるExcelフォーマットと定着のコツ

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これから社内のナレッジ共有を進めることになったけれど、何から手をつければいいか分からず困っていませんか。「そもそもどんなフォーマットがいいのだろう」「使い慣れたExcelで管理できるものはないだろうか」といった、具体的なテンプレートに関する悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ナレッジ共有は多くの企業が取り組むテーマですが、その進め方を体系的に学ぶ機会はほとんどありません。だからこそ、手探りで始めてしまい、個々人がバラバラのフォーマットで情報を作成した結果、かえって情報が探しにくくなったり、Excelファイルのバージョン管理が煩雑になったりと、新たな課題を生んでしまいがちです。

この記事では、コピーしてすぐに使える5種類のナレッジ共有テンプレートから、それをチームに定着させるための具体的なコツまで、必要な情報を一貫して解説します。

この記事の結論
  • まずは議事録や業務マニュアルなど、利用頻度の高いテンプレートからスモールスタートしましょう。
  • Excelは手軽ですが、複数人での同時編集や検索性に限界があります。チームが3人以上なら専用ツールの検討がおすすめです。
  • テンプレートを配布するだけでなく、「なぜこれを使うのか」という目的を共有し、運用ルールを一緒に決めることが成功の鍵です。
  • 完璧なテンプレートを目指さず、まずは「たたき台」として導入し、チームからのフィードバックを元に改善を続けましょう。

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目次

なぜナレッジ共有にテンプレートが有効なのか

ナレッジ共有を始めようとするとき、多くの人が「何を書けばいいのか」「どうまとめればいいのか」という壁にぶつかります。

テンプレート、つまり「型」を用意することは、この最初の壁を乗り越え、ナレッジ共有をスムーズに軌道に乗せるための最も効果的な手段です。なぜなら、テンプレートには大きく3つのメリットがあるからです。

メリット1. 誰でも質の高い情報を残せる

テンプレートには「この項目を埋めればOK」というガイドラインの役割があります。

これにより、文章力や経験に左右されず、誰でも必要な情報を抜け漏れなく、分かりやすくまとめることができます。情報の質が標準化されるため、チーム全体の知識レベルの底上げにつながります。

メリット2. 情報作成の時間を短縮できる

毎回ゼロから構成を考える必要がなくなるため、情報を作成する時間を大幅に短縮できます

担当者は「何を書くか」ではなく「どんな価値ある情報を残すか」という、より本質的な部分に集中できるようになります。忙しいメンバーでも、ナレッジ共有に参加するハードルがぐっと下がります

メリット3. 探したい情報が見つけやすくなる

すべての情報が同じ構造で整理されるため、後から情報を探す人が目的の箇所をすぐに見つけられるようになります。

「あの会議の決定事項はどこに書いてあったかな?」といった無駄な検索時間がなくなり必要な時に必要な知識をすぐに引き出せるようになります。

コピーしてすぐ使えるナレッジ共有テンプレート5選

ここでは、様々な業務シーンで今日からすぐに使える、5つの基本的なナレッジ共有テンプレートを紹介します。

まずは自社のチームで最も利用頻度が高そうなものから、試験的に導入してみてください。

1. 議事録テンプレート

会議の決定事項や担当者を明確にし、関係者へのスムーズな情報共有を目的とします。「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、次のアクションを確実に実行するために不可欠なナレッジテンプレートです。

会議名 (例:〇〇プロジェクト定例会議)
日時 YYYY年MM月DD日 HH:MM~HH:MM
場所 (例:第3会議室 / オンライン)
参加者 (敬称略)
議題
  • 1. (議題1)
  • 2. (議題2)
決定事項
  • (誰が、何を、いつまでに行うかを明確に記載)
ToDo(宿題)
  • 担当者:〇〇、内容:△△、期限:YYYY/MM/DD
次回会議予定 YYYY年MM月DD日 HH:MM~

2. 業務マニュアル・手順書テンプレート

特定の業務の進め方を誰が見ても分かるように標準化し、業務の属人化を防ぐことを目的とします。新メンバーの教育コストを削減し、担当者が不在の際でも業務が滞らない体制を築きます。

業務名 (例:月次経費精算業務)
更新日 YYYY年MM月DD日
担当部署・担当者 〇〇部 〇〇
業務の目的 (この業務がなぜ必要なのかを簡潔に記載)
業務フロー(手順)
  1. 【手順1】(具体的な作業内容を記載)
  2. 【手順2】(必要に応じてスクリーンショットなども活用)
  3. 【手順3】(…)
注意点・ポイント
  • (間違いやすい点や、業務をスムーズに進めるためのコツなどを記載)
関連資料 (参考となるファイルやURLへのリンクを記載)

3. 日報・週報テンプレート

単なる作業記録ではなく、業務から得た気づきや課題、成功事例をチームで共有し、集合知として蓄積することを目的とします。マネージャーが進捗を把握しやすくなるだけでなく、チーム全体の学びを加速させます。

報告日 YYYY年MM月DD日
報告者 〇〇 〇〇
今週(今日)の目標 (週初や朝礼で設定した目標を記載)
業務内容と成果
  • 【実績】(具体的な数値を用いて簡潔に記載)
  • 【成果】(実績から得られた結果や効果)
課題・改善点 (業務を進める上で感じた課題や、次に取り組みたい改善策を記載)
共有事項・相談 (チームメンバーに共有したい情報や、相談したいことを記載)

4. FAQテンプレート

社内や顧客から頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめ、自己解決を促進することを目的とします。同じ質問に何度も答える手間を削減し、担当者の業務効率を向上させます。

カテゴリ 質問(Q) 回答(A) 最終更新日
(例:経費精算) Q. タクシー代の領収書は必要ですか? A. はい、必ず必要です。宛名は「株式会社〇〇」で受領してください。 YYYY/MM/DD
(例:勤怠管理) Q. リモートワーク時の休憩時間はどうすればよいですか? A. 任意のタイミングで1時間取得してください。勤怠システムでの打刻は不要です。 YYYY/MM/DD

5. 企画書・提案書テンプレート

新しいプロジェクトや施策の目的、背景、概要、計画を論理的に整理し、関係者とのスムーズな意思決定を支援することを目的とします。思考を整理し、説得力のある提案を行うためのフレームワークとして機能します。

1. 企画の背景・目的 (なぜこの企画が必要なのか? 現状の課題は何か? を記載)
2. 企画の概要 (誰に、何を、どのように提供するのか? を具体的に記載)
3. ターゲット (企画の対象となる顧客やユーザー層を記載)
4. 実施計画(スケジュール・体制) (いつからいつまで、誰が担当するのかを記載)
5. 予算・費用対効果 (必要な費用と、それによって見込まれる効果を記載)
6. 想定されるリスクと対策 (計画を進める上での懸念点と、その対応策を記載)

Excelでナレッジ共有テンプレートを作成・管理する方法

多くの企業が、まずは手軽に始められるExcelを使ってナレッジ共有を試みます。ここでは、自社に合ったナレッジ共有のフォーマットをExcelで作成する基本的なステップと、運用する上で知っておくべき限界について解説します

自社に合ったフォーマットを作成する3つのステップ

汎用的なテンプレートをベースに、自社の業務に合わせてカスタマイズすることで、より使いやすいフォーマットが完成します。

  1. ステップ1:目的と利用シーンを明確にする
    まず、「誰が、いつ、何のために使うのか」を定義します。例えば、「新入社員が、入社初日に、基本的な社内ルールを理解するため」といった具体的なシーンを想定することで、必要な項目が見えてきます。
  2. ステップ2:記載すべき項目を洗い出す
    目的に沿って、テンプレートに含めるべき項目を箇条書きで洗い出します。関係者にもヒアリングし、「これだけは絶対に必要」という項目と、「あると便利」という項目を整理しましょう。
  3. ステップ3:レイアウトを整え、入力ルールを決める
    洗い出した項目をExcelシートに配置します。誰が見ても分かりやすいように、見出しや罫線を活用してレイアウトを整えましょう。また、日付の形式(YYYY/MM/DD)や用語の統一など、簡単な入力ルールを欄外に記載しておくと、情報のブレを防げます。

知っておくべきExcelでのナレッジ管理の限界

手軽に始められるExcelでのナレッジ管理ですが、チームの規模が大きくなったり、情報量が増えたりするにつれて、いくつかの限界が見えてきます

  • 同時編集が難しい
    デスクトップ版のExcelファイルを共有サーバーで管理している場合、原則として同時に編集できるのは1人だけです。Microsoft 365の法人向けプランであれば最大99人まで同時編集が可能ですが、それでも誰がどこを編集したかの追跡が難しく、意図しない上書きが発生するリスクがあります。
  • バージョン管理が煩雑になる
    「ファイル名_最新版」「ファイル名_240620_〇〇修正」といったファイルが乱立し、「どれが本当に正しい情報なのか分からない」という事態に陥りがちです。変更履歴も追いにくく、情報の信頼性が損なわれる原因になります。
  • 検索性が低い
    ファイルを開かないと中身を確認できないため、目的の情報がどのファイルにあるかを探すのに時間がかかります。ファイル横断での全文検索が難しく、「あの情報、どこにあったっけ?」という検索コストが増大します。
  • 情報が陳腐化しやすい
    更新が面倒になり、古い情報が放置されがちです。陳腐化した情報が残っていると、ナレッジベース全体の信頼性が低下し、誰も使わなくなってしまいます。
Excel管理から専用ツールへの移行を検討するタイミング

Excelでのナレッジ管理は手軽な第一歩ですが、以下のようなサインが見られたら、専用のナレッジ共有ツールへの移行を検討する良いタイミングかもしれません。

  • チームメンバーが3人以上になった
  • 「最新版のファイルはどれですか?」という質問が頻繁に発生するようになった
  • – 複数のファイルを横断して情報を探すことが増えた – ファイルが重くなり、開くのに時間がかかるようになった

専用ツールは、強力な検索機能、簡単なバージョン管理、複数人でのスムーズな同時編集など、Excelの弱点を補う機能を備えています。無料プランやトライアル期間を提供しているツールも多いため、まずは一部のチームで試してみるのもおすすめです。

テンプレートを形骸化させないための定着のコツ3つ

素晴らしいテンプレートを作成しても、チームに使ってもらえなければ意味がありません。ナレッジ共有を「一過性のイベント」で終わらせず、チームの「文化」として根付かせるためには、導入時の工夫が重要です

1. 最初から完璧を目指さず、チームを巻き込む

最もよくある失敗が、担当者が一人で完璧なテンプレートとルールを作り込み、一方的に展開してしまうことです。

まずは「たたき台」として最低限のテンプレートを用意し、「業務を楽にするために、みんなでこのテンプレートを育てていきませんか?」とチームに協力を仰ぎましょう。一緒に作るプロセスを経ることで、メンバーに当事者意識が芽生え、導入後の活用がスムーズになります。

2. ルールは最小限に、保管場所と命名規則だけ決める

細かすぎるルールは、形骸化の最大の原因です。最初は、守るべきルールを最小限に絞り込みましょう

具体的には、「①ファイルは必ずこの共有フォルダに保管する」「②ファイル名は『日付_案件名_作成者』の形式にする」という2点だけでも十分です。まずは「情報が1か所に集まっている」「ファイル名を見れば中身がある程度推測できる」状態を目指しましょう。

3. 定期的に棚卸しを行い、情報を最新に保つ

ナレッジは「生もの」です。古い情報が放置されると、ナレッジベース全体の信頼性が失われ、誰も見向きもしなくなってしまいます。

四半期に一度など、定期的に「棚卸し」の日を設け、各情報の担当者が内容を見直す機会を作りましょう。「このマニュアルは今の業務フローと合っているか?」「このFAQはまだ有効か?」を確認し、情報を常に最新の状態に保つ仕組みが、ナレッジ共有の継続には不可欠です。

まとめ

ナレッジ共有の成功は、完璧なテンプレートや高度なツールを見つけることではありません。

最も重要なのは、まずはこの記事で紹介したようなシンプルなテンプレートを使って「始める」こと、そしてチームで対話しながら、自社に合った形に「育てる」ことです。

Excelによるナレッジマネジメントは手軽な第一歩ですが、その限界も理解しておくことが大切です。まずは今日から、議事録や業務マニュアルなど、身近なテンプレートを一つ試すことから、チームの知識を資産に変える一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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