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稼げる不動産営業組織の作り方|採用・定着・育成の仕組み化で売上を最大化する方法

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「不動産営業は稼げる」と聞いて優秀な人材を採用したはずなのに、なぜかすぐに辞めてしまう、ということはありませんか。「個人の能力に頼りきりで、組織としての成果が安定しない」「一体どうすれば、社員が定着し、会社全体で稼げるようになるのだろう」といった課題を抱えている経営者やマネージャーの方は少なくないでしょう。

その根本的な原因は、多くの場合、「稼げる」という言葉の魅力だけで人を集め、その後の仕組みが追いついていないことにあります。その結果、トップ営業のスキルに成果が依存する「属人化」が進んだり、明確な育成方針がないまま「見て育て」が常態化したりして、一部のエース以外は疲弊し、成長を実感できずに離れていってしまうのです。

個人の能力に依存する不安定な経営から脱却し、優秀な人材が自ら集まり、定着し、育っていく「稼げる組織」。その変革の鍵となる「採用・育成・評価」の仕組み化について、具体的なステップを網羅的に解説します。

この記事の結論
  • 不動産営業で「稼げる」本質は、個人の能力だけでなく、それを支える『組織の仕組み』にあります。
  • 優秀な人材の採用と定着には、「高いインセンティブ」と「公平で透明性のある評価制度」の両立が不可欠です。
  • トップ営業のノウハウを形式知化し、組織全体で共有する仕組みを構築することが、属人化を防ぎ、全体の底上げに繋がります。

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  • 提案や新人教育が属人化しており、事業拡大のボトルネックになっている
目次

なぜ「稼げる」はずの不動産営業で人材が定着しないのか?

不動産業界は、成果次第で高い収入を得られる可能性がある魅力的な業界です。

実際に、厚生労働省の統計データを見ても、「不動産業」の平均年収は全産業平均を上回る水準にあり、「稼げる」というイメージは統計的にも裏付けられています。

しかしその一方で、人材の定着に悩む企業が多いのも事実です。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査」によると、「不動産業,物品賃貸業」の離職率は15.0%と全産業平均と同水準ですが、新規学卒者に限ると、3年以内の離職率が31.1%(令和3年3月卒業者)にのぼります。

「稼げる」という魅力だけでは、なぜ人は定着しないのでしょうか。その背景には、多くの企業が抱える3つの構造的な課題があります。

1. 成果がトップ営業のスキルに依存している「属人化」

「あのエースがいなければ、会社の売上は成り立たない」。

このように、特定のトップ営業の個人的なスキルや人脈に売上の大半を依存している状態は非常に危険です。

そのエースが退職すれば、売上は激減し、組織は大きな打撃を受けます。

さらに、他の社員から見れば「あの人は特別だから」という諦めが生まれ、モチベーションの低下にも繋がります。

ノウハウが個人の中に留まり、組織の資産として共有・継承されない「属人化」こそが、成長を妨げる第一の壁です。

2. 育成方針がなく「見て育て」が常態化している

トップ営業自身も、感覚や経験で成果を出してきたため、後輩にうまく教えられないケースは少なくありません。

その結果、新人や若手に対する育成は「俺の背中を見て学べ」といったOJT頼りになりがちです。

体系的な研修プログラムや明確な育成方針がないまま現場に放置されれば、多くの新人は何をすべきか分からず、成果を出せないまま自信を失い、早期離職の原因となります。

「人は育てるものではなく、自ら育つものだ」という考え方は、人材獲得競争が激化する現代において通用しなくなっています。

3. 評価基準が不透明で社員が不満を抱えている

高いインセンティブ制度を導入していても、社員が定着しないケースも多く見られます。

その原因は、評価基準の不透明さや不公平感にあります。

例えば、評価が上司の主観に大きく左右されたり、インセンティブの計算根拠が不明瞭だったりすると、社員は会社に対する不信感を募らせます。

頑張っても正当に評価されない」と感じた優秀な人材ほど、より公平で透明性の高い評価制度を持つ他社へと流出してしまうのです。

「個人」から「組織」へ。稼げる不動産営業の仕組みを構築する3つの柱

属人化、育成不足、不透明な評価——これらの課題を解決し、個人商店の集まりから脱却して「組織」として稼ぐ力を手に入れるには、どうすればよいのでしょうか。

その答えは、個人の能力に依存するのではなく、誰もが一定の成果を出せる「仕組み」を構築することにあります。

そして、その仕組みは、以下の3つの柱から成り立っています。

1. 採用戦略:自社にマッチした人材を見極め、惹きつける

仕組み化の第一歩は、入り口である採用から始まります。

単に「稼ぎたい」という志向の人物を集めるのではなく、自社の文化や価値観に共感し、長期的に活躍してくれるポテンシャルを持つ人材を見極めることが重要です。

採用段階でのミスマッチを防ぐことが、定着率向上の最大の鍵となります。

2. 育成システム:誰もが成果を出せる再現性のある仕組み

トップ営業の「暗黙知」を、誰もが実践できる「形式知」へと転換する仕組みです。

成功の秘訣をマニュアル化し、トレーニングを通じて組織全体に浸透させることで、新人でも早期に戦力化できます。

これにより、エースが一人辞めても揺らがない、安定した営業組織を構築することが可能になります。

3. 評価・報酬制度:公平性と透明性でモチベーションを最大化する

社員一人ひとりの貢献を正当に評価し、努力が報われると実感できる制度です。

成果だけでなく、そのプロセスやチームへの貢献なども含めて多角的に評価することで、社員は納得感を持ち、意欲的に業務に取り組むようになります。

公平で透明性の高い制度は、社員のエンゲージメントを高めるための土台となります。

優秀な人材が集まる「稼げる」不動産営業の採用戦略とは

「稼げる組織」の構築は、まず「誰を仲間に入れるか」から始まります。

しかし、多くの企業が「高いインセンティブ」という一点張りで採用活動を行い、結果としてミスマッチや早期離職を招いています。

本当に優秀で、長く会社に貢献してくれる人材を惹きつけるためには、採用戦略そのものを見直す必要があります。

1. 「稼げる」の魅力を再定義する(給与以外の価値)

もちろん、金銭的な報酬は重要です。

しかし、現代の求職者はそれ以上に、自己成長やキャリアの可能性を重視する傾向にあります。

「稼げる」という言葉を、単なる年収額ではなく、以下のような価値と結びつけて発信することが重要です。

  • 明確なキャリアパス:入社後、どのようなステップで成長し、どのようなポジションを目指せるのか。
  • スキルアップ支援:専門知識を学べる研修制度や、資格取得支援などが充実しているか。
  • 働きがいとビジョン:会社の理念や事業の社会貢献性に共感できるか。

給与以外の魅力を言語化し、伝えることで、他社との差別化を図り、より質の高い母集団を形成できます。

2. 採用ペルソナを明確にし、ミスマッチを防ぐ

「誰でもいいから来てほしい」という姿勢では、良い採用はできません。

自社の文化、働き方、価値観に本当にマッチする人材はどのような人物か、具体的な「採用ペルソナ」を設定しましょう

例えば、以下のような項目を定義します。

  • 価値観:チームワークを重視するのか、個人の裁量を尊重するのか。
  • 志向性:安定を求めるのか、挑戦を好むのか。
  • スキル:即戦力となる経験が必要か、ポテンシャルを重視して育成するのか。

ペルソナを明確にすることで、求人広告のメッセージや面接での質問内容が具体化し、採用の精度が格段に向上します

3. 面接では「再現性」と「学習意欲」を見極める

過去の華々しい実績だけを見て採用を決めると、失敗することがあります。

重要なのは、その成功体験に「再現性」があるかどうか、そして新しい環境で学び続ける「学習意欲」があるかどうかです。

面接では、以下のような質問を通じて、候補者の本質を見極めましょう。

  • 「成功した要因を3つ挙げるとすれば何ですか? なぜそう思いますか?」(成功の要因を客観的に分析できているか)
  • 「これまでで最も困難だった経験と、それをどう乗り越えたか教えてください」(課題解決能力とストレス耐性)
  • 「もし入社したら、まず何から学びたいですか?」(学習意欲と謙虚さ)

過去の実績だけでなく、未来のポテンシャルを見抜くことが、将来のトップ営業候補を採用する鍵となります。

トップ営業のノウハウを標準化する育成システムの作り方

優秀な人材を採用できても、その能力を最大限に引き出し、組織全体の力に変える「育成システム」がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

「エースが辞めたら終わり」という属人化のリスクから脱却し、誰もが安定して成果を出せる組織を作るための具体的なステップを紹介します。

1. 成功プロセスの可視化とマニュアル作成

育成システムの根幹は、トップ営業の頭の中にある「勝ちパターン」を可視化し、誰もが真似できるレベルまで具体化することです。

まずはトップ営業にヒアリングを行い、顧客との初回接触から契約に至るまでのプロセスを細かく分解します。

  • 初回アポイント:どのようなトークで顧客の心を開いているか。
  • ヒアリング:どんな質問で、顧客の本当のニーズを引き出しているか。
  • 物件提案:何を基準に物件を選び、どのようにプレゼンテーションしているか。
  • クロージング:顧客の不安をどのように解消し、決断を後押ししているか。

これらの行動や思考を抽出し、具体的なトークスクリプトやチェックリストを含む営業マニュアルとしてまとめます。これは、新人にとっての教科書であり、組織全体の営業品質の基準となります。

2. 定期的なロールプレイングとフィードバックの文化醸成

マニュアルを読んだだけでは、知識はスキルに変わりません。

マニュアルの内容を実践的なスキルとして定着させるために、定期的なロールプレイング(模擬練習)が不可欠です

顧客役と営業役に分かれ、実際の商談に近い状況で練習を繰り返します。

重要なのは、練習後に具体的なフィードバックを行うことです。「良かった点」と「改善点」を明確に伝え、次のアクションに繋げます。

上司から部下へ一方的に指導するだけでなく、営業同士で互いにフィードバックし合う文化を醸成することで、チーム全体のスキルが底上げされていきます

3. SFA/CRMを活用したデータに基づく指導

勘や経験に頼った「気合と根性」のマネジメントから脱却し、客観的なデータに基づいて指導することも重要です。

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を活用すれば、各営業担当者の活動データを可視化できます。

  • 商談化率:アポイントのうち、どれだけが具体的な商談に繋がっているか。
  • 受注率:商談のうち、どれだけが契約に至っているか。
  • 活動量:架電数や訪問数は十分か。

これらのデータを分析することで、「商談化率が低いから、初回アプローチを見直そう」「受注率が低いから、クロージングの練習をしよう」といったように、個々の課題に合わせた的確な指導が可能になります

公平性と透明性が鍵。社員の意欲を高める評価・報酬制度の設計

社員のモチベーションを最大限に引き出すには、努力と成果が正当に報われる評価・報酬制度が欠かせません

トップセールスの中には年収数千万円を稼ぐ人も珍しくなく、国税庁の調査でも年収1000万円を超える給与所得者は全体の5.4%(約18人に1人)存在します。

しかし、単にインセンティブを高く設定するだけでは、社員の不満や組織の歪みを生む可能性があります。

社員が心から納得し、意欲的に働ける制度を設計するための3つのポイントを解説します。

1. 成果だけでなくプロセスも評価する仕組み

売上や契約件数といった「結果(KGI)」だけを評価の対象にすると、短期的な成果を追い求めるあまり、無理な営業や顧客満足度の低下を招くことがあります。

長期的に成長し続ける組織であるためには、結果に至るまでの「プロセス(KPI)」も評価に組み込むことが重要です

  • 顧客満足度アンケートの結果
  • 新規顧客からの紹介件数
  • 後輩の指導やチームへの情報共有といった貢献度

こうした多面的な評価を取り入れることで、社員は目先の数字だけでなく、顧客との長期的な関係構築や組織全体の利益を意識するようになり、健全な組織文化が育まれます

2. 固定給とインセンティブの最適なバランスとは

給与体系は、社員の生活の安定と、成果への意欲を両立させることが理想です。

「フルコミッション(完全歩合制)」は高いモチベーションを生む可能性がある一方で、収入が不安定になりやすく、社員が安心して働き続けることが困難になるリスクも伴います。

多くの企業では、生活の基盤となる「固定給」と、成果に応じて上乗せされる「インセンティブ」を組み合わせた給与体系を採用しています。

このバランスは企業のフェーズや戦略によって異なりますが、一般的には固定給で業界の平均水準を担保しつつ、成果を出した社員が夢のある収入を得られるインセンティブ設計を目指すのが良いでしょう。

なお、「インセンティブ率」に関する統一的な政府統計は存在しませんが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」における職種別の年間賞与額などが、自社の給与水準を考える上での参考になります。

インセンティブ制度の設計パターン例

インセンティブ制度には様々な設計パターンがあります。自社の事業モデルや戦略に合わせて最適なものを選択・組み合わせることが重要です。

  • 売上連動型:最もシンプルで分かりやすい方法。仲介手数料など、個人の売上額に対して一定の料率をインセンティブとして支給します。
  • 利益連動型:売上から経費を差し引いた「粗利」に連動させる方法。社員のコスト意識を高める効果があります。
  • 件数連動型:契約件数1件あたり、定額のインセンティブを支給する方法。単価が比較的小さく、件数を重視する場合に適しています。
  • チームインセンティブ:個人だけでなく、チーム全体の目標達成度に応じてインセンティブを支給する方法。チームワークの醸成やノウハウ共有の促進に繋がります。

これらのパターンを組み合わせ、成果とプロセスの両方を評価するハイブリッド型の制度を設計することも有効です。

3. 社員が納得する目標設定とフィードバック面談の進め方

評価の納得感を高める上で、目標設定のプロセスは極めて重要です。

会社が一方的に高いノルマを課すだけでは、社員は「やらされ感」を抱き、モチベーションは上がりません。

MBO(目標管理制度)などを活用し、上司と部下が面談を通じて、本人のキャリアプランも踏まえながら、双方が納得する目標を設定することが理想です

目標は、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、期限が明確(Time-bound)な「SMART」の原則で設定すると良いでしょう。

そして、期末の評価面談では、単に結果を査定するだけでなく、達成できた要因や未達だった原因を共に振り返り、次の成長に繋げるためのフィードバックを行うことが、部下の育成と信頼関係の構築に繋がります。

まとめ:稼げる不動産営業組織への変革は「仕組み化」から始まる

不動産営業で真に「稼げる組織」を作るためには、一人のスタープレイヤーの力に頼るのではなく組織全体で安定的に成果を生み出す「仕組み」を構築することが不可欠です

その核心は、これまで見てきた「採用」「育成」「評価」という3つの柱を連動させ、三位一体で改革を進めることにあります。

  • 採用:自社にマッチし、長く活躍してくれる人材を戦略的に見極める。
  • 育成:トップ営業のノウハウを標準化し、誰もが成長できる環境を整える。
  • 評価:公平性と透明性の高い制度で、社員の努力に正しく報い、モチベーションを最大化する。

これらの仕組みは、一朝一夕に完成するものではありません。

まずは自社の現状を客観的に分析し、「属人化」「育成不足」「評価への不満」といった課題の中から、最も優先すべきものは何かを見極めることから始めてみてはいかがでしょうか。

個人の能力を最大限に引き出し、組織の力へと変える「仕組み化」こそが、これからの時代を勝ち抜く、稼げる不動産営業組織への唯一の道筋です。

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