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SFAの選び方|失敗しないための7つのポイントと導入を成功させる秘訣

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「そろそろ営業にもSFAを導入すべきだろうか」「たくさん種類があるけれど、自社に最適なSFAの選び方がわからない」——そんな悩みを抱えていませんか。ツールの選定を任されたものの、何から手をつければ良いのか、どんなポイントで比較すれば失敗しないのか、不安に感じている担当者は少なくありません。

SFA市場は国内外の多数のベンダーが参入し成熟しているため、高機能なツールが数多く存在します。だからこそ、各社のウェブサイトを見比べるだけでは「どのツールも良く見えてしまう」という状況に陥りがちです。その結果、導入目的が曖昧なまま機能の多さだけで選んでしまい、現場で使われずに高額な投資が無駄になるケースが後を絶ちません。

失敗しないSFA選びの秘訣は、ツール比較を始める「前」の準備にあります。自社の課題を明確にし、客観的な評価軸を持つことで、無数の選択肢の中から最適な一社を自信を持って選べるようになります。この記事では、導入目的の明確化から、後悔しないための7つの比較検討ポイント、そして社内を納得させる稟議対策まで、SFA導入を成功に導くための具体的な手順を網羅的に解説します。

この記事の結論
  • SFA選びで失敗しないためには、ツール比較の前に「解決したい営業課題」を3つに絞り込み、評価の絶対軸とすることが最も重要です。
  • 機能の多さよりも「現場のITリテラシーで使いこなせるか」を最優先し、無料トライアルで必ず複数人に試してもらいましょう。
  • 価格だけでなく、導入後のサポート体制や定着化を支援してくれるプログラムの有無も、長期的な成功を左右する重要な比較ポイントです。
  • 上司や経営層を納得させるには、「なぜこのSFAなのか?」だけでなく、「なぜ他のSFAを選ばなかったのか?」の理由も言語化しておくことが有効です。

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目次

なぜSFA選びで失敗するのか?よくある3つの導入失敗パターン

SFAの導入は、成功すれば営業組織を大きく変革させる力がありますが、一歩間違えれば「無駄な投資」に終わってしまうリスクもはらんでいます。具体的な選び方のポイントを見る前に、まずは多くの企業が陥りがちな3つの失敗パターンを理解し、同じ轍を踏まないようにしましょう。

1. 現場が入力せず「形骸化」する

最も多い失敗が、営業担当者が日々の活動を入力してくれず、データが蓄積されないパターンです。「入力が面倒」「今のやり方を変えたくない」といった現場の反発や、入力するメリットが感じられないことが原因で、いつの間にか誰も使わないシステムになってしまいます。

2. 機能が複雑で「使いこなせない」

多機能で高価なツールを導入したものの、機能が複雑すぎて現場がついていけないケースも少なくありません。結果として、Excelで使っていたような顧客リスト管理など、ごく一部の機能しか活用されず、費用対効果が著しく低くなってしまいます。

3. 導入目的が曖昧で「効果測定ができない」

「営業活動を効率化したい」といった漠然とした目的で導入してしまうと、具体的に何を改善できたのかが分からず、投資対効果を説明できなくなります。ゴールが曖昧なため、SFAのデータをどう分析し、次のアクションに繋げれば良いのかも分からず、宝の持ち腐れとなってしまうのです。

SFA選びを始める前に!成功の鍵を握る「導入目的」の明確化

前述の失敗パターンを避けるために、ツール比較を始める前に必ず行うべきことがあります。それは「SFAを導入する目的」を徹底的に明確にすることです。なぜなら、この目的こそが、数あるツールの中から自社に最適なものを選ぶための「揺るぎない判断基準」になるからです。

1. 解決したい営業課題をすべて洗い出す

まずは現状の営業プロセスや組織が抱える課題を、部署のメンバーで可能な限り洗い出してみましょう。些細なことでも構いません。以下のような視点で書き出していくと、問題点が可視化されやすくなります。

  • 情報の属人化:「トップ営業のAさんがいないと、あの案件の進捗が誰も分からない」
  • 情報共有の非効率:「日報や週報の作成に毎日1時間もかかっている」
  • 案件管理の不備:「失注した案件の原因分析ができておらず、同じ失敗を繰り返している」
  • 顧客対応の漏れ:「誰がいつ、どのお客様に連絡したか分からず、対応が遅れることがある」

すべての課題が出揃ったら、その中から「SFAで解決すべき最優先課題」を3つ程度に絞り込みます。この絞り込みが、後の機能選定の重要な軸となります。

2. SFA導入によって達成したいゴールを具体的に設定する

次に、洗い出した課題が解決された状態、つまり「SFA導入後の理想の姿」を具体的に定義します。このとき、「売上を上げる」といった曖昧な目標ではなく、誰が見ても達成できたかどうかが判断できる「測定可能なゴール」を設定することが重要です。SMARTの法則などを参考に、具体的な数値を盛り込みましょう。

  • 悪い例:営業活動を効率化する。
  • 良い例:日報・週報作成の時間を一人あたり1日30分削減し、その時間を新規顧客へのアプローチに充てる。

  • 悪い例:成約率をアップさせる。
  • 良い例:導入後1年で、商談化からの成約率を現状の20%から25%に向上させる。

ここまで準備ができて初めて、SFAの比較検討フェーズに進むことができます。この「目的」という羅針盤があれば、ツールの多機能さに惑わされることなく、自社にとって本当に必要な機能を見極めることができるのです。

自社に最適なSFAの選び方!後悔しないための比較検討7つのポイント

導入目的とゴールが明確になったら、いよいよ具体的なツール選定です。ここでは、自社に最適なSFAを選ぶ際に、後悔しないための比較検討ポイントを7つに絞って解説します。これらのポイントを評価軸として、各ツールを比較していきましょう。

1. 機能:課題解決に必要な機能が過不足なく揃っているか

SFAには顧客管理、案件管理、行動管理、予実管理、レポート機能など様々な機能があります。大切なのは、機能の多さではなく自社の「最優先課題」を解決するために必要な機能が揃っているかという視点です。事前に洗い出した課題と照らし合わせ、「これは絶対に必要(Must-have)」な機能と、「あれば嬉しい(Want-have)」機能をリストアップしておきましょう。多機能なツールは魅力的ですが、使わない機能はコスト増と操作の複雑化に繋がるだけです。

2. 操作性:ITが苦手な営業担当者でも直感的に使えるか

SFA導入の成否は、現場の営業担当者が毎日使ってくれるかどうかにかかっています。そのため、ITツールに不慣れなメンバーでも直感的に操作できるシンプルなインターフェースは非常に重要なポイントです。特に、外出先からでもスマートフォンやタブレットで簡単に入力・確認ができるか、動作はスムーズか、といった点は必ずチェックしましょう。無料トライアルなどを活用し、複数の担当者に実際に触ってもらうのが最も確実です。SFAの選び方において、この操作性の確認は欠かせません。

無料トライアルで必ずチェックすべき3つのこと

多くのSFAベンダーが提供している無料トライアルは、操作性を確認する絶好の機会です。カタログスペックだけでは分からない「使い心地」を確かめるために、以下の3点は必ずチェックしましょう。

  1. 日々の活動入力のしやすさ:営業担当者が最も頻繁に行うであろう「商談報告」や「活動履歴」の入力を試します。5分以上かかるような複雑な操作が必要な場合、定着は難しいかもしれません。
  2. モバイルアプリの操作感:外出先での利用を想定し、スマートフォンアプリの動作速度や入力のしやすさを確認します。PC版と同じようにストレスなく使えるかがポイントです。
  3. レポート・ダッシュボードの見やすさ:マネージャー視点で、欲しいデータが簡単に見つけられるか、グラフなどは直感的に理解できるかを確認します。カスタマイズの自由度も見ておきましょう。

トライアル期間中は、ITリテラシーが高い人だけでなく、あえて苦手意識のあるメンバーにも参加してもらうことで、より実践的なフィードバックが得られます。

3. 料金:自社の規模や成長フェーズに適した価格体系か

SFAの料金体系は、サービスによって様々ですが、多くの主要なSaaS(Software as a Service)では、利用するユーザー数に応じて料金が発生する「ユーザー数課金」が主流です。SalesforceやHubSpotといった代表的なツールもこの体系を採用しています。月額費用だけでなく、初期導入費用や、機能追加にかかるオプション費用も必ず確認し、トータルコストで比較検討することが重要です。企業の成長に合わせてユーザー数を柔軟に増減できるか、プランのアップグレードはスムーズか、といった点も将来を見据えたSFAを選ぶ際のポイントになります。

4. サポート体制:導入後の定着化まで支援してくれるか

SFAは導入して終わりではありません。むしろ、導入してからが本当のスタートです。ツールの設定方法が分からない、うまく活用できないといった問題が発生した際に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制があるかは極めて重要です。電話やメールでの問い合わせ対応はもちろん、導入時の設定支援、操作トレーニング、定期的な活用セミナーの開催など、定着化までを視野に入れた手厚い支援プログラムを提供しているベンダーを選ぶと安心です。

5. 連携性:MAや会計ソフトなど既存システムと連携できるか

すでに社内でマーケティングオートメーション(MA)ツールや会計ソフト、チャットツールなどを利用している場合、SFAがそれらのシステムと連携できるかを確認しましょう。API連携などが可能であれば、データの二重入力の手間を省いたり、部署間のスムーズな情報共有を実現したりと、業務効率を飛躍的に向上させることができます。自社で利用中のツールとの連携実績があるか、ベンダーに直接問い合わせてみることをお勧めします。

6. セキュリティ:顧客情報を安心して預けられるか

SFAには、企業の生命線ともいえる大切な顧客情報や案件情報を蓄積します。そのため、万全なセキュリティ対策が講じられているかは、絶対に妥協できないポイントです。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISMS(ISO/IEC 27001)」認証を取得しているか、IPアドレスによるアクセス制限が可能か、ユーザーごとに細かな権限設定ができるかなど、自社のセキュリティポリシーに適合するかを厳しくチェックしましょう。

7. カスタマイズ性:自社の営業プロセスに合わせて変更できるか

企業によって営業の進め方や管理したい項目は異なります。SFAの入力項目やレポート形式などを、自社の業務に合わせてどの程度柔軟に変更できるか(カスタマイズ性)も確認しておきましょう。プログラミングの知識がなくても、管理画面からドラッグ&ドロップで簡単に追加・変更できるツールが理想的です。将来的に事業が拡大したり、営業プロセスが変化したりすることも見越して、ある程度のカスタマイズ性を持つツールを選ぶことが長期的な成功に繋がります

【稟議対策】SFA選定の最終関門!上司や経営層を納得させる説明のコツ

最適なSFAを見つけ出しても、最後の関門である「稟議」を通過できなければ導入は実現しません。ここでは、SFA選定のプロセスと結論について、上司や経営層を論理的に納得させ、承認を得るためのコツを解説します。

選定プロセスと評価基準を可視化する

「なぜ、このSFAでなければならないのか?」という問いに、客観的な根拠をもって答えることが最も重要です。そのためには、複数のツールをどのような基準で比較し、なぜ最終的にそのツールを選んだのか、その思考プロセスを可視化しましょう。前述した7つのポイントなどを評価項目とした比較検討表を作成し、「自社の最優先課題を解決できるのはこのツールだけだ」という結論を論理的に示すことで、説得力が格段に増します。

費用対効果(ROI)を具体的な数字で示す

経営層が最も気にするのは「その投資でどれだけのリターンがあるのか」という点です。SFA導入にかかる費用(投資)に対して、どれだけの効果が見込めるのかを具体的な数字で示しましょう。例えば、以下のような計算で費用対効果(ROI)をシミュレーションします。

  • コスト削減効果:「営業担当者の報告業務が1日30分削減されることで、月間〇〇時間分の人件費が削減できる」
  • 売上向上効果:「成約率が5%向上することで、年間〇〇円の売上増加が見込める」

完璧な予測は不可能ですが、具体的な根拠に基づいたシミュレーションを提示することで、投資の妥当性をアピールできます。

導入後の定着化プランを提示して懸念を払拭する

「導入しても、結局現場が使わないのではないか?」という懸念は、承認者であれば誰もが抱く不安です。この不安を払拭するために、具体的な定着化プランをあらかじめ提示しましょう。

  • 導入キックオフミーティングの開催
  • 階層別の操作研修会の実施計画
  • 社内ヘルプデスク担当者の設置
  • 活用度が高い部署や個人の表彰制度

「導入して終わり」ではなく、定着まで責任を持って推進するという強い意志と具体的な計画を示すことで、承認者は安心してGOサインを出すことができるでしょう。

まとめ:最適なSFA選びは、自社の未来を描くプロジェクトである

SFAの選び方は、単なるツール選定作業ではありません。自社の営業が抱える課題と真摯に向き合い、理想の未来を描き、そこへ到達するための最適なパートナーを選ぶ、極めて戦略的なプロジェクトです。

本記事で解説したように、まずは「なぜ導入するのか」という目的を徹底的に明確にすることから始めてください。その揺るぎない軸があれば、機能の多さや価格の安さといった表面的な情報に惑わされることはありません。「機能」「操作性」「料金」「サポート」など7つの比較検討ポイントを元に、自社の課題を解決してくれる最適なSFAを自信を持って見つけ出すことができるはずです。

正しいプロセスを踏めば、失敗を恐れる必要はありません。この記事が、あなたの会社の営業組織を次のステージへと導く、最良の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

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